コラム
工場給食からみるナト・カリ比の課題

人間総合科学大学 健康栄養学科
 奥田 奈賀子


 社員食堂は事業所全体の4割、大企業では7割の事業所に設置されており、就業者全体の半数程度は職場に社員食堂があると考えられています。

 社員食堂のなかでも特に工場内の食堂は、市街地から離れた立地が多いため従業員の利用頻度は高いと考えられます。日々多忙な現代人では外食が増え家庭料理が減ってきており、工場給食の健康に果たす役割はますます大きくなっていると言ってよいでしょう。

 日々必要な栄養・食品は「3食でバランスよく分けて食べるのがよい」と言われていますが、社員食堂の食事はどうでしょうか。典型的には、日替わり定食2~3種類、丼物、ラーメン、和風麺、小鉢類数種が日々提供されます。これらの食事から「平均的に、食塩は5g程度、野菜は90g程度」摂取されると推測されます。社員食堂で1食を摂取しながら、1日分として食塩は8gまで、野菜は350g以上という目標(いずれも健康日本21 第2次)を達成するのは難しく思われますが、いかがでしょうか。コストや調理工程の制限のため野菜は少な目であり、ナト・カリ比も全体として高めの食事になっていると考えられます。

 社員食堂事業者の多くが「ヘルシーメニューに取り組んでいるが、利用者の味の好みに近づけるのが難しい」と考えています。給食調理にナト・カリ調味料を使用することで、今までと同じ美味しさで食塩を5gから4gに減らし、野菜が少ないことで不足しているカリウムを増やすことが可能です。ナト・カリ調味料を使用することで、ヘルシーメニューを手軽に実現できるといえるでしょう。

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